SDをCFとして使いたい!

 撮影会なんかに行って撮りまくっていると、あっという間にメモリカードが底を尽きてしまいます。ところが、CF(コンパクトフラッシュ)は大変高価で、めったやたらと買えるものではありません。7D、5D、1D、1Dsユーザーにとっては深刻な問題です。
 ところが、SDカードなら、そこそこのお値段で買えます。しかも、CFに比べて薄くて小さい。変換アダプタ的なものがあればいいのに……。


 と思っていたら、ありました!

サンワサプライ SDHC用CF変換アダプタ ADR-SDCF

サンワサプライ SDHC用CF変換アダプタ ADR-SDCF

 これが使えれば、だいぶ懐に優しくなります。

 で、気になるのは記録速度。一般的にCFのほうが速い(だからこそ上位機種ではCFが使われる)ので、SDを使うと非実用的、というのでは困ります。とはいえ、kissシリーズや60DなどではSDが使われているので、一般的なスナップやポートレートなら耐えるのではないでしょうか。

 というわけで、どれくらいの速度で書き込めるのかを試してみました。
 テスト方法は、
  1 EOD 5D MarkIIを用いる。
  2 シャッタースピードは最速(1/8000)にする。
  3 記録モードはRAWのみ。
  4 連写モードにして、連写が止まるまで撮影する。
  5 その時点から記録中ランプが消えるまでの時間を測る。
としました。この条件で、「よい結果」とは、連写できるコマ数が多い、ビジーランプが消えるまでの時間が短い、ということになります。

 このアダプタを使って、手元にあるCFとSDを使って試してみました。それぞれ5回測定し、数値はその平均値を示しています。

●第1部 CF●

SanDisk Ultra 16GB(公称30MB/s)
 連写13コマ 記録11.17秒

I・O DATA CF115-1G(公称17.25MB/s)
 連写12コマ 記録45.46秒

BUFFALO RCF-X512MY(公称速度不明)
 連写12コマ 記録141.87秒(2分22秒)

 というわけで、さすがCF、という速度です。最後の1枚はあまりに古すぎて何の参考にもならないかもしれませんが。

 それでは、いよいよ。
●第2部 SD+変換アダプタ●

SanDisk Extreme 8GB(公称30MB/s)
 連写12コマ 記録68.02秒(1分8秒)

SanDisk Exterme HD Video 16GB(公称20MB/s)
 連写12コマ 記録81.12秒(1分21秒)

Panasonic RP-SM04GFJ1K(公称10MB/s)
 連写12コマ 記録99.42秒(1分39秒)
 *マイクロSD+SD変換アダプタ+CF変換アダプタ


 というわけで、やはり変換アダプタを使用すると遅くなるようです。しかし、カメラ本体のメモリである程度連写できるので、ふつうのスナップを撮る分にはさほど困らないでしょう。とはいえ、モデル撮影会みたいに短時間でたくさん撮らなくてはならないような場面では、少しストレスを感じるかもしれません。



●このアダプタの真価●
 CFより安価なSDが使えるという視点でこのアダプタを試してみましたが、実はもっと実用的な場面は、「写真を撮ってあげる」というときです。
 観光地で写真をとっていると、
   高そうなカメラを持っている->写真がうまいに違いない
と判断され、観光客に「写真をとってください」と頼まれることがあります。たいていその人自身のカメラ(ほとんどコンデジ、たまにレンズ付きフィルム)を渡されます。まぁ、撮ってあげるのは別に構わないのですが、その人からすれば、「その高そうなカメラ」で撮ってほしいと思うみたいです。ところが、私の5D MarkIIで撮ってあげても、相手はCFが使えません。っていうか、高価なCFを見ず知らずの人に差し上げるなんてことはできません。
 しかし、どんな人でも携帯電話は持っているはずで、その携帯電話の中にマイクロSDはたいてい入っています。なので、その人からマイクロSDを借りて、変換アダプタを使って5D MarkIIで撮ってあげるということができるわけです。もちろんRAWで撮るなんてイジワルはせずに、JPEGのSかMで撮ってあげればいいのです。

 アダプタ自体がそんなに高価というわけでもありませんので、CFが使えないときの緊急時用として、1つ持っていても損はないと思います。