NDフィルターって、何に使うの?

 写真は、基本的に明るいところの方が撮りやすい。なので、わざわざ暗くするための道具が必要になるとは考えにくい。しかし、カメラ店に行くと、NDフィルターというものが売られている。わざわざ光を通しにくくするフィルイターだ。こんなもの、何のために使うのだろう?


 とても明るい場所で絞りを開いて背景をぼかしたいとき、カメラによっては、これ以上シャッタースピードを速くできなくて露出オーバー、ということもあります。また、水の流れを撮るときに、シャッタースピードを遅くして水の流れを強調する場合もあります。こんなときに、NDフィルターを使います。

Kenko NDフィルター PRO ND2 55mm 光量調節用 355602

Kenko NDフィルター PRO ND2 55mm 光量調節用 355602

 どれくらい光量を落とすかで、ND2、ND4、ND8などの種類がりまする。数字が大きくなるほど、暗くなります。


 そんな中、なんと光量を1/400にも落とすフィルターがあります。

Kenko NDフィルター ND400 プロフェッショナル 55mm 光量調節用 155233

Kenko NDフィルター ND400 プロフェッショナル 55mm 光量調節用 155233

 見た目は真っ黒。こんなフィルターをつけようものなら、ファインダーから何も見えない!

 ケンコーのパンフレットには、太陽や滝のサンプル写真が掲載されていいます。ふつうはこのような使い方をするらしいです。

 ところが、スローシャッターにできるということを別のことに使うことができます。それは「動くものを消す」ということ。
 次の写真は、都内のとても人が多いところで撮影したもの。

▲EOS-5D Mark II + EF24mmF2.8 F14 1/20 ISO100 東京・後楽園


 同じ場所でこのフィルターを使い、スローシャッターにしたのが、こちら。

▲EOS-5D Mark II + EF24mmF2.8 + Kenko ND400 F14 25秒 ISO100 東京・後楽園

 心霊写真のようにも見えるかもしれませんが、動いている人がぼやけて薄くなっています。


 さらにシャッタースピードを落とせば、どんどん薄くなっていきます。

▲EOS-5D Mark II + EF24mmF2.8 + Kenko ND400 F14 1分 ISO50 東京・後楽園



 絞りを一番絞って、できるだけ暗くしてとったのが、こちら。

▲EOS-5D Mark II + EF24mmF2.8 + Kenko ND400 F22 2分 ISO50 東京・後楽園

 歩くスピードが遅いためか、やはり黒い霧のようなものが見えてしまいます。NDフィルターの重ねがけなどすれば、もっとシャッタースピードを落とすことができ、人影が気にならないような写真になるかもしれません。今回の条件だと、心霊写真まがいのものしかできませんでした。


 このフィルター、もっと楽しい遊び方があるかもしれません。いろいろ試してみます。