50mm対決! EF50mm F1.2L USM VS EF50mm F1.8II


 キヤノンの50mmレンズは、3つの製品があります。それぞれ開放F値が異なり、お値段が異なります。

 まずは、EF50mm F1.8 II。

 開放F値が1.8ととても明るいレンズでありながら、重さはわずか130g、希望小売価格も12000円と非常に低価格。お買い得感のとても高いレンズです。


 そして、EF50mm F1.4 USM。

Canon 単焦点レンズ EF50mm F1.4 USM フルサイズ対応

Canon 単焦点レンズ EF50mm F1.4 USM フルサイズ対応

 開放F値が1.4とさらに明るくなりました。ただし、重さは290gと倍以上、希望小売価格は55500円と4倍超。このレンズをお使いのプロの方も多いようです。


 さらにその上に、EF50mm F1.2L USM。

Canon 単焦点標準レンズ EF50mm F1.2L USM フルサイズ対応

Canon 単焦点標準レンズ EF50mm F1.2L USM フルサイズ対応

 開放F値は1.2ととても明るいです。重さは590gとF1.8IIの4.5倍、希望小売価格は185000円と15倍です。ただ単に明るいだけではなく、この3つのレンズの中で唯一、非球面レンズが使われています。


 50mmレンズを買うにあたり、どうやって選べばよいのか。迷ってしまうと思います。早い話が、値段の分の差があるのかどうか。そこで検討してみると、まず、単純に開放F値が大きい(明るい)と、ピント合わせがらくになります。暗いところでも明るく見えるのでピント合わせがしやすくなりますし、AFの精度も向上します。それが果たして4倍、15倍のお金を出してまで手に入れる性能か……と言われれば、正直どうかと思います。
 そして、いちばん重要な画質。これは、撮ってみないとわかりません。
 今回は、手元にあるEF50mm F1.2L USM と EF50mm F1.8 II の2つで比較してみました。カメラを三脚で固定し、レンズを交換して同じ状態で撮影しました。絞り優先AEに設定し、絞りを変えながら撮影しました。


 まずは、F1.2Lを使って開放f1.2での撮影。さすがに背景に何が映っているのかわからないくらいのボケです。

 次は、f1.8同士で比較します。まずはF1.2L。

 そしてF1.8 II。

 さて、違いがわかるでしょうか。
 モデルさんの部分を拡大してみましょう。


 上がF1.2L、下がF1.8 IIです。どうですか? 違いがわかりますか? 残念ながら、私には違いがわかりません。
 ですが、モデルさんの右側のボケ具合は、はっきりと違いが見られます。


 同じく上が1.2L、下がF1.8 IIです。F1.8 IIのほうが、ごちゃごちゃした感じのボケになっています。このボケ具合のために、15倍もの大枚をはたくかどうか、それはあなた次第!

 次に、もう少し絞ってf5.6での比較です。


 上がF1.2L、下がF1.8 IIです。どうですか? 背景の電線の写り方が若干違うように見えますが……。

 次にf16での比較です。F1.2Lはこれが最大絞りになります。


 上がF1.2L、下がF1.8 IIです。うーん、どうだろ……。

 最後は、F1.8 IIの最大絞り、f22です。

 さて、比較してみましたが、絞りf1.8のときのボケ具合に違いが見られましたが、絞ってしまえばそんなに差がないように見えます。いかがでしょう? 「甘いな四郎!」と罵声が飛んできそうな気がしますが、これ以上の比較は今の私にはできないようです。それだけ、このEF50mm F1.8 II の完成度が高いということでしょうか。
 キヤノンがKissの新機種を発表したそうです。しかも、Kissをさらに2系統に分け、今までの系譜のX5と、簡易軽量版のX50が出るようです。このX50のレンズキットに、「こだわりスナップキット」としてこのEF50mm F1.8 IIが同梱されるようです。X50にEF50mm F1.8 IIをつけたときの総重量は625g。この軽さは大きなアドバンテージです。(ちなみに私の5D Mark IIにEF50mm F1.2L USMをつけたときの重さは1480gです。)
 これを機に、キヤノンの大逆転! が来るかどうか……!


 今回のモデルさんは、こちら。

フィぎゅっと! 戦場ヶ原ひたぎ

フィぎゅっと! 戦場ヶ原ひたぎ

 EF50mm F1.8 II は、レンズフードが別売となっています。

Canon レンズフード ES-62(アダプターリング付き)

Canon レンズフード ES-62(アダプターリング付き)